箱根前哨戦としての全日本

今日は全日本大学駅伝があった。
もちろんこのレースも三大駅伝なので重要だが、箱根駅伝の前哨戦として、各チームの動向をつかむ材料としても捉えることができる。
その観点から本日のレースを振り返る。ということで、主要校についてコメントしてみる。

駒沢大学
 本日は優勝したが、箱根に向けてを考えるとかなり不安の残るレースだった。今日は油布と窪田で勝ったようなもので、必ずしもよい内容とは言えない。出雲同様、攪上と村山は自重しながら沈むというパターンで、こうした消極的な走りが続くようだと、箱根も出雲のような結果になる可能性すらある。本日三大駅伝初登場の二人も、箱根の戦力になるかどうかは不明。その意味で、結果オーライ的な印象は否めない。

東洋大学
 こちらは逆に好材料が多い。今日本当に勝ちたかったら、最終区に設楽弟をもってくればよかっただけのような気がする。出雲と今日で新戦力に目星がついた(しかも、この二戦で新戦力のうち二人が区間賞をとってしまうのだからすごいものだ)。エースの設楽兄弟も調子は上向きな様子(この二人は長い距離を戦略的に走れるという点で本当に頼りになる存在)。あとは、山登りをどうするか、という点さえクリアできれば、かなりの確率で箱根は勝ちそうな気がする。

早稲田大学
 もともとあまり厚くない層が、「薄い」と感じられるようになった。結局大迫と山本だけのチームで、あとのエリートメンバーもそこそこ走るレベルになってしまった(一昨年は、当時箱根に出場できなかった佐々木と志方を「飛車角」と呼んでいた記憶があるが、遠い昔の話になってしまったような気がする)。大迫と山本のどちらかがブレーキになれば、その時点でアウトという感じ。今日は第一区の起用がギャンブル過ぎたきらいもあるが、それを除いても、駒沢・東洋とはかなり差ができたような気がする。

日本体育大学
 いい感じで仕上がってきている印象。服部はこの世代ではトップクラスの力を持っているのだから、今日(区間賞)くらいは期待してもいいだろう。他のメンバーもしっかり走れているのは好材料。ただ、三強(といっていいのか?)を脅かすにはちとつらいかもしれない。

明治大学
 相変わらず走る人もいれば(今日は有村)、そうでない人もいる、という安定して不安定なチーム。まだ主力メンバーが二年生と若いので仕方ないか。ただ、層は厚いので、ある程度くらいつけば昨年の再現も期待できるかもしれない。

日本大学
 今日のような一区間だけ異様に長い区間があるレースでは、ベンジャミンのような大駒を持っているチームは強い。しかし、選手層自体は厚くないので、箱根ではまた苦戦しそう。

上武大学
 突出した選手はいなさそうなので、ブレーキさえなければ、という感じか。

山梨学院大学
 オムワンバはすごいが、このままだと箱根も似たパターンとなるかも。

中央大学
 こちらは逆にブレーキさえいなければ箱根は期待できそう。昨年以上の順位はねらえるような気がする。


すみません。残りについてはテレビ観戦ということもあり、フォローできません。
出雲覇者の青学、それから今日は出ていない城西あたりも加え、残り二ヶ月の仕上がりが楽しみです。