2008-01-01から1年間の記事一覧

最強の読書術(2)

前エントリーで、東洋経済の特集「最強の読書術」で紹介されていた6名の達人の読書術を比較してみた。いったん個々の達人の読書スタイルを見てみようと思ったが、ここは人による好みの差も反映されるのでやめて、達人の読書術に見る、読書の2パターンの特徴…

最強の読書術(1)

数週間前に発刊された東洋経済の特集「最強の読書術」。遅らばせながら入手した。見所は6名の達人による読書術紹介だろう。6名分まとめて読むとなかなか迫力がある。と同時に、(当然だが)6名の読書術には違いが見られる。こうした違いはクリアにしておいた…

アカデミーヒルズ ライブラリートーク

先週5月22日、六本木ヒルズ内のアカデミーヒルズにて、ライブラリー会員用のセミナー「ライブラリートーク」に参加した。お題は拙著の概要について。詳細はこちら。http://www.academyhills.com/library/event/talk_report.html また、アカデミーヒルズにつ…

難しい作業を簡単にするための7つの原則

「何のためのデザイン?」には他にも示唆深い話がのっているのだが、それらはすっとばしていきなり最後に書かれていた「難しい作業を簡単にするための7つの原則」に飛ぶ。 難しい作業を簡単にするための7つの原則 1.外界にある知識と頭の中にある知識の…

デザインの原則

今私の中でブームとなっている概念が「デザイン」である。デザインといっても、芸術的な方面の話ではなく、機能的な方面でのデザインである。しかも、製品等目に見えるもののデザインというよりかは、頭の中で作り上げるものや頭の中をどのようにデザインす…

聞く技術(4) 対応・応答

聞く技術もとうとう最後のパートに来た。話を聞いて、その対応によって話し手はちゃんと聞いたかどうか判断する。そのパターンとしては以下の本に4つほど書かれているが、私としては一つ表現を変えて、さらに一つ加えたいところだ。ビジネスマンの「聞く技…

聞く技術(3) 聞く=理解する

聞く技術の二番目として、とうとう聞くという行為そのものに入る。だが、この部分について触れている本はあまり多くない。まあ、内面的な行為なので表出化しにくいのだろう。ということで、「聞く」行為そのものについて考えてみると、「聞く」という場面の…

聞く技術(2) 聞き出し

前エントリーであげた三冊の本のうち、聞き出しについて結構書かれているのがこちらである。人間関係が10倍よくなる「聞く技術」 (角川SSC新書)作者: 福田健出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ発売日: 2008/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 1…

聞く技術

先月、「聞く」ことに関する新書を二冊読んだ。〈聞く力〉を鍛える (講談社現代新書)作者: 伊藤進出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/03/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 13回この商品を含むブログ (13件) を見る人間関係が10倍よくなる「聞く技術」 …

[思考術]「物語編集力」3

割れながら漠としたテーマを選んでしまったような気がしてならないが、本書による示唆はまだあっただろうと感じたので、もう一回だけ引っ張ることにする。以前のエントリーで触れたように、物語編集力の5大要素をもとにすると、 ・物語を作る:ワールドモデ…

[思考術]「物語編集力」2

で、問題なのはこの考え方をどのように応用するかだ。私たちは常に本書にあるおうな物語を作っているわけではない。しかし、そのエッセンスは活用できそうである。その一つとして、話を理解することがあげられる。ここでの理解は内容の理解に加えて、話をし…

[思考術]「物語編集力」

「物語編集力」を読了。示唆深い本だった。物語編集力作者: 松岡正剛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2008/02/29メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (19件) を見る 本書では、物語を編集のアウトプットの一つと捉え、そ…

[コミュニケーション]よいコミュニケーションの要素

「理解の秘密」では、第十三章で「忘れがたいインストラクター」として、よいインストラクターとなる要素を列挙している。しかし、これがまたいろいろな人にいろいろな質問の仕方で聞いたものを列挙しているだけなので、いろいろあってわかりにくい。という…

[コミュニケーション]コミュニケーションの内容の構成要素

コミュニケーションの改善方法として、受け手の状況に基づいて伝えるべき内容、コンテキスト、チャネルを決定するという観点が必要である。但し、内容そのものについては、幹のようなものをしっかりさせておかないと、受け手の顔を見て話をするだけになって…

[コミュニケーション][シナリオ構想]受け手を念頭に置いたコミュニケーションの設計

前回のエントリーでは、「理解の秘密」に書かれていたコミュニケーションの改善点を、問題点と対照させながら整理してみた。ただ、問題点と比較してみると、どうもコインの裏返し的なものが多く、もう少し工夫の余地がありそうである。本エントリーでは、手…

[コミュニケーション]コミュニケーション改善のために

これまで「理解の秘密」を題材に、コミュニケーションがうまくいかない理由を整理してきた。同書を見ると、コミュニケーションの改善について第七章〜第九章で述べているが、これが見事にコミュニケーションがうまくいかない理由とリンクしていない。という…

[コミュニケーション]コミュニケーションがうまくいかない理由(4)

前回のエントリーではコミュニケーションがうまくいかない理由のうち、「聞いて理解できない」という要素をさらに細分化していった。今回は、「納得し、行動しようとする気が起こらない」という要素をさらに細分化していきたい。 「納得し、行動しようとする…

[コミュニケーション]コミュニケーションがうまくいかない理由(3)

前のエントリーでコミュニケーションがうまくいかない理由を、受け手側の状態から「聞く準備ができていない」「聞いても理解できない」「納得し、行動しようとする気が起こらない」「言われたことに腹落ちしていない」という4つに分類してみた。そうすると…

コミュニケーションがうまくいかない理由(2)

前回のエントリーでは、「理解の秘密」を題材に、コミュニケーションがうまくいかない理由を「送り手」「受け手」「内容」「チャネル」「コンテキスト」で分類してみた。そこで見えてきたのは、これらの要素の相互作用によってコミュニケーションはうまくい…

コミュニケーションがうまくいかない理由

昨日に続いて、「理解の秘密」を題材にコミュニケーションについて考えていく。理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)作者: リチャード・ソウルワーマン,Richard Saul Wurman,松岡正剛出版社/メーカー: NTT出版発売日: 1993/04…

コミュニケーションの全体像

今読んでいるのが、「理解の秘密−マジカル・インストラクション」という本。理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)作者: リチャード・ソウルワーマン,Richard Saul Wurman,松岡正剛出版社/メーカー: NTT出版発売日: 1993/04メデ…

「地頭」とは

今日も「地頭力を鍛える」を題材に。地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」作者: 細谷功出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 54人 クリック: 878回この商品を含むブログ (274件) を見る本書では、題名にもな…

フェルミ推定

昨年末から今年初頭にかけてのベストセラーに(今もだが)「地頭力を鍛える」がある。地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」作者: 細谷功出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 54人 クリック: 878回この商品…

発見力における「比較」

昨日の続きで、この本を題材にしてみる。ビジネスマンのための「発見力」養成講座 (ディスカヴァー携書)作者: 小宮一慶出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2007/09/13メディア: 新書購入: 13人 クリック: 274回この商品を含むブログ …

発見力の構造

遅ればせながら、下記本を読了。ビジネスマンのための「発見力」養成講座 (ディスカヴァー携書)作者: 小宮一慶出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2007/09/13メディア: 新書購入: 13人 クリック: 274回この商品を含むブログ (132件) …

前提とは(3)

昨日のエントリーで紹介したとおり、「論理のスキルアップ」という本では、「隠れた前提」を次の3つに類型化している。 1.基本理由の背後にある前提 2.付加的な理由として前提 3.中間結論としての前提このうち、3については省略するとして、1で述べ…

前提とは(2)

私たちが何気なく使っている「前提」という言葉。普段は何気なく使えばよいのだろうが、考える場面においては前提という言葉の定義が違うことで話がかみ合わなくなる。では、前提とはどのような意味で使われるのかを見ていきたい。底本は論理のスキルアップ―…

「前提」とは

そろそろ「論理トレーニング」から離れて、別の本を題材に考えてみたい。論理のスキルアップ―実践クリティカル・リーズニング入門作者: アントムソン,Anne Thomson,斎藤浩文,小口裕史出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2008/01/01メディア: 単行本購入: 15人 …

論理関係の活用

そろそろ「論理トレーニング」を題材にしてきた、論理思考ネタもおわりにしたい。最後に、論理関係と意味関係という観点から、「論理トレーニング」について一点見ておきたい。論理思考は論理関係と意味関係を活用しながら言葉の関係を押さえつつ主張をして…

論理関係を構成する最低限の要素

これまでのエントリーで、論理思考は関係をつなぎあわせていく思考であり、その関係には意味関係と論理関係がある、とした。そのうちの一つ論理関係はどのような要素から構成されているのかを整理してみたい。ただ、丁寧に見ていくと深みにはまるばかりかや…