聞く技術(3) 聞く=理解する

聞く技術の二番目として、とうとう聞くという行為そのものに入る。だが、この部分について触れている本はあまり多くない。まあ、内面的な行為なので表出化しにくいのだろう。

ということで、「聞く」行為そのものについて考えてみると、「聞く」という場面のもつ特徴がハンデともなるしメリットともなる。それをまとめてみよう。
・ハンデ
 −一過性のもの
 −省略が多い
 −内容に加えて、感情面も現れ、理解することが求められる
・メリット
 −インタラクティブ性がある

これを見ると、現実的には「一度に完全に言ったことを発言者の期待通りに理解する」ということは難しい。従い、そんな無理なことはしないで、できるだけ理解できるレベルまでもっていくのが「聞く」という場面での目標となる。と、目標を一段さげた上で、インタラクティブ性という部分につなげていければよい、つまり、聞いた後の応答を通じて理解が深まるような状態まで持っていく、というのが現実だろう。

となると、何をしておかなければならないかといえば、極論すれば以下の二つに集約できるのではないか。
1.話しているテーマを把握する
2.なぜそのテーマを話しているのかを把握する

つまり、中身の理解は後の質問等で何とかするとして、そもそも何について話しているのか、そしてなぜそんなことを話そうとしているのか、の理解に努めるのである。前者を把握することによってピント外れの会話となっていくのを避けることができるし、後者の把握によって対応の方針を決めることが可能になる。逆に、中身を追っかけると皮相的な部分に捉われた対応をしてしまい、「やってしまった」的な展開となる可能性が高い。

では、ある程度話しているテーマ及びそのテーマが話されている理由がわかったらどのような対応があるかを次のエントリーで。