2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

わざ言語徹底解読(7) わざキンとは?

第7章 人が「わざキン」に感染するとき 第一部を締めくくるのは、御大佐伯胖氏である。佐伯氏は、第一部全体を締めくくるのかと思ったら、意外にも前章の解読を行っている。それも、「感覚の共有」と難しい言葉を使わずに、「わざキンに感染」という観点か…

わざ言語徹底解読(6) 看護の世界における「わざ言語」

第5章と第6章の2章は、看護の場面に焦点をあててわざ言語の特徴やわざの伝達についてまとめられている。まずはこの2章の構成を見てみよう。 第5章 「わざ」言語が促す看護実践の感覚的世界 1.看護における「わざ」 2.看護の「わざ」に見る相互主観…

「わざ言語」徹底解読(5) 文字知とわざ言語

第四章 「文字知」と「わざ言語」 第四章は、特に分野を限定せずにわざ言語の「言語」としての側面にフォーカスをあてている。実際に取り上げられるのは、宮大工の西岡常一やその弟子小川三夫、和太鼓奏者の佐藤三昭、スピードスケートコーチの結城匡啓など…

わざ言語徹底解読(4)スポーツでのわざの伝達

第三章 スポーツ領域における暗黙知習得過程に対する「わざ言語」の有効性タイトルどおり、第三章ではスポーツ場面でのわざ言語が対象になる。と言っても、第二章でもかなりスポーツに重点が置かれてから、その続きとも捉えることは可能だ。この章では、まず…

わざ言語徹底解読(3) 熟達化という観点からわざ言語を見る

第二章 熟達化の視点から捉える「わざ言語」の作用 第二章はわざを教わる側から見ての考察だ。例によって、目次をみてみよう。 1.スキル獲得と「わざ」の習得 2.熟達化から捉える「わざ言語」 3.フロー体験から捉える「わざ言語」 まず、学ぶ側から見…

「わざ言語」徹底解読(2)第一章 「わざ」の伝承は何を目指すのか

この章の著者は生田久美子氏。生田氏は、1987年に「わざから知る」という書籍を書かれている。この「わざから知る」は、後から出版される関連書籍に非常に多く参考文献として掲載される、いわば「わざ」分野の基本的一冊と言えるようなものだ。従って、この…

「わざ言語」徹底解読(1)

わざ言語:感覚の共有を通しての「学び」へ作者: 生田久美子,北村勝朗出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2011/03/31メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 44回この商品を含むブログ (3件) を見る 表題の書籍を読み終えて数か月経つ。何とかまとめよ…