[コミュニケーション]コミュニケーションがうまくいかない理由(3)

前のエントリーでコミュニケーションがうまくいかない理由を、受け手側の状態から「聞く準備ができていない」「聞いても理解できない」「納得し、行動しようとする気が起こらない」「言われたことに腹落ちしていない」という4つに分類してみた。そうすると、「聞いても理解できない」が非常に多くなってしまった。ただ、これは再度分類しなおすと、コミュニケーションにおいて内容面で注意すべき点が浮かび上がってくる。再度、「聞いても理解できない」の項目をあげてみよう(今回はナンバリングしておく)。

  1. インストラクションそのものがわかりにくい
  2. 受け手が過剰な情報にはまりこみ、本当に知りたいことがわからない
  3. 受け手の観点にあわせて翻訳できていない
  4. 受け手の理解能力やニーズを考えていない
  5. メッセージが抽象的で、双方の解釈が食い違っている
  6. 情報過多で趣旨が不明確
  7. 言葉にベールが覆われていて、趣旨が隠れている
  8. 重要な部分が欠落している
  9. 関連情報がない
  10. 自己矛盾している

こうしてみると、いろいろな次元で聞いても理解できない要素があがっていることがわかる。まず、1は「聞いても理解できない」という状態を書き換えたもので、以降のものをまとめているに過ぎない。それ以外で共通するものを見ていくと、まず目につくのが2と6にある「情報過多」という要素である。重要そうだと思うことを何でもかんでも詰め込みすぎて、結果としてわけがわからなくなる、というパターンである。次に目に付くのが3と4である。両者に共通しているのは「受け手を意識する」ということである。間違ったことを言っていなくても伝わらない要因として、相手のことを考えていない、というのがあげられる。次に、5と7はどうだろうか? これは「クリアなメッセージになっていない」ということだろう。残る3つは、ある意味「伝える基本」である。重要な部分がなかったり、関連する情報がなかったり、言っていることそのものが矛盾しているようでは、受け手がどうとかこうとかいうレベルではない。


となると、聞いても理解できない要因としては、
・情報過多
・受け手のことを意識していない
・クリアなメッセージでない
・伝えるの基本ができていない
の4つとなる。もちろん、「情報過多」と「クリアなメッセージ」は受け手によって捉え方は変わってくるから、まずは受け手に対する意識メッセージの基本(過不足なく矛盾なく)を実現した上で、受け手を意識して情報量とクリア度を考える必要がある、ということになるだろう。


ちなみに、「納得し、行動しようとする気が起こらない」は5つあがっているが、これはコミュニケーションのプロセスで整理すると、本書の筆者が重要と考えているポイントが見えてくる。これは次回。