ストーリー番外 究極のストーリー「神話」

究極のストーリーと言えば、やっぱり神話ですかね。ということで、今回は次の本をもとに、ストーリーとしての神話について考えてみたいと思います。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

なんといっても「神話」です。「伝説」じゃないから。だから、こんな表現がポンと出てくるわけですね。

神話は究極の真理の一歩手前にあると言われますが、うまい表現だと思います。究極のものは言葉にはできない、だから一歩手前なんです。(349ページ)

ということは、言葉で表現できる究極の真理ということじゃないか。すごいね。
と感心していると、意外にも神話はシンプルなものだということがわかります。

神話の主要モチーフは同じだし、昔から同じだったのです。(77ページ)

おっと、言われてみれば、各地の神話は結構似たような展開があるけれど、それは単に昔の人の想像力の問題なのではなく、神話を語るにはこのモチーフでなければならないからなのか・・・。

では、こうした神話はどんな役割を果たしているのでしょうか?

1. 神秘的な役割
2. 宇宙がどんな形であるか示す
3. 社会学的な機能
4. 教育的な機能

単に昔話じゃないよ、ということですかね。宇宙を捉えると同時に次の世代への教育の役目を担うとは、マクロからミクロまでカバーしているという点ですごいな。

ふと思ったのは、次の本にも似たような「機能」の説明があったこと。

私たちの中にある物語―人生のストーリーを書く意義と方法

私たちの中にある物語―人生のストーリーを書く意義と方法

ここでの「ライフストーリーの機能」は、

1. 心理的機能
2. 社会的機能
3. 神秘的機能
4. 宇宙的機能

と、ほとんど言っていることは同じだよ。ということは、神話とは「共有された究極のライフストーリー」ということですね。

ずいぶんでかいところまで話が行ってしまったなあ。収めるのが難しい・・・。



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