イマココ

イマココ――渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学

昨日読了。一言で言えば、「ナビゲーションの科学」となろうか。認知心理学の知見をもとに、人間が空間を認知するメカニズムを解説している。

中身とは関係ないが、ここでもギブソンが出てくる。最近ギブソン（アフォーダンス）がメジャーになったのか、たまたま自分が手の取った本がギブソン系の話をベースにしているのか。たぶん後者なのだろう。自分でも知らないうちに、ギブソンの考え方を理解しようとしているのかもしれない。まだよくわからないけど。

中身的には、サイバースペースとか自然空間とかまで行ってしまうと、話についていけていないが、家の中の空間やワークスペースあたりまでは興味深い。特に興味深いのは、家の中の空間での「イソビスタ」という概念。家の中である場所から屋内を見ることのできる範囲、という意味だが、自分の居場所などをこんな観点から考え方ことがなかった。単に自分のいる場所が広いとか狭いではなく、どれだけの広さをそこから見ることができるかが大事なのか。

ボリュームの割に価格も安く、内容も充実していて、結構コストパフォーマンスの高い一冊だった。