ストーリー(物語)での主人公
ストーリーで、何を差し置いても大事なのが主人公。この人(動物とか空想上の存在でもよいのだが)がいなければ、ストーリーになりませんな。じゃあ、どんな人が主人公としてよいのだろうか。これは、「ストーリーの心理学」に載ってました。
- 作者: J.ブルーナー,Jerome S. Bruner,岡本夏木,吉村啓子,添田久美子
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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まずは列挙。
1. 成長する
2. しかし、一貫性は維持
3. 連結性を明らかにさせる
4. 対人的世界の中に位置づける
5. 必要に応じて自分自身を説明させる
6. 雰囲気がある
7. 意味をなさずにいるときは悩ませる
1とか2のようにわかりやすいものもある一方、十分意味のとれないものもありますな。
まあ、3と4はあわせて、「舞台との関連付け」といったところでしょうか。確かに中世の舞台に○○レンジャーみたいな主人公がいてもストーリーとしての魅力が薄れてしまいますね。
5については、これまた何とも味のあるというかなんというか、というもの。あえて自己を言及させることにどんな意味があるのだろうか?
6については、意味はわかるが、どんな雰囲気なのだろうか? 他の人と違う雰囲気? もちろん、他の人となんら変わらない雰囲気でストーリーを作ることも十分可能だが。
7はこれまた何とも言えないもので、味わい深い。「悩む」ということは、ある状況でとった行為がうまくいっていない(不適合)だから、新たなストーリーが生まれることになる(詳しくは前日のエントリーの構成要素のうち、「ストーリーの心理学」参照)。まあ、「問題は作り出す」という言い方もできるし、そういう類のものだろう。これが過激になると、「ほっとしたのもつかの間・・・」的なストーリーになる。
ということで、5と6はよくわからないけど、まとめ。
「突然変異じゃない程度に成長して、場となじんでいるが独特の雰囲気を持っている。たまには自分のことを独り言で語り、ほっとさせる暇があったら悩ませる。」
こんな人が主人公として適任だそうです。
それはさておき、逆に自分がストーリーを語るとき、上記の条件は結構有益なのではないでしょうか。
・化けるほどではないが「変わる」
・場になじんでいるが、場の他の人と違った雰囲気をもつ
・いろいろなことが相次いで起こる
よく「成功体験」とか「社会人生活でもっとも輝いた瞬間」とかでストーリーを考えることをしたりします。なかなか場面を思い浮かべるのは難しいですが、上記の3つに当てはまるようなことでピンときたものだったら、外れではないのでは?
間もなく発売!
ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力―ポケットMBA〈5〉 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 生方正也
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/09/02
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