ストーリー(物語)について考える(1)
ストーリーについて考える
少し先の話だが、Think!連載の六回目のテーマは「ストーリー」だ。ここでのストーリーの意味は「話の流れ」というもの。よくプレゼンで「ストーリーラインを考える」と表現することがあるが、それに近い。
もちろんストーリーという言葉は、別の意味でビジネスシーンで使われることも多い。その一つに、「ロジックだけでなくストーリーで」的な使い方がある。要は物語を語る要領で説明しなさい、ということですね。社会学関連では「ナラティブ」(発話)という概念と似たような違うような、という位置づけか。
もちろんプレゼンの時のストーリー的な使い方でもよいのだろうが、もう少し物語的なものにも触れてみたくて、いくつか関連する書籍を読んでみた。
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/02/29
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: J.ブルーナー,Jerome S. Bruner,岡本夏木,吉村啓子,添田久美子
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: ロバートアトキンソン,Robert Atkinson,塚田守
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: カール・E.ワイク,Karl E. Weick,遠田雄志,西本直人
- 出版社/メーカー: 文眞堂
- 発売日: 2001/04/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
これらの本から、「結局ストーリー(物語)とは何なんだよ」というのをしばらく考えてみたい。
まずは定義から、と言いたいところだが、定義をつらつら並べてもあまり面白くない。そこで、ストーリー(物語)を構成する要素としてどんなものがあるのかを比較してみたい。
1. 物語編集力
・ワールドモデル(舞台)
・キャラクター(登場人物)
・シーン(場面)
・プロット(話の展開)
・ナレーター(語り手)
ふーん、なるほどね、という感じ。確かにどれか一つ欠けても物語にはなりませんな。
次は「ストーリーの心理学」。ここではケネス・バーグのものが上がっている。
2.ストーリーの心理学
・認識可能な「状況」の下で(Setting)
・ある「目的」を達成するために(Goal)
・特定の「手段」を用いて(Means)
・ある「行為」を行う(Action)
・行動主体(Agent)
以上の要素で不適合が起きた場合に、物語が始まる(Trouble)
状況や行動主体などはあるけど、前とかなり違うね。
最後は「私たちの中にある物語」。これはどんなものでしょう?
3.私たちの中にある物語
・メタファー
・シンボル
・元型
・パターン
・モチーフ
・反復
これは前の二つと全然違う。
といっても、どれが正しくてどれが間違っているということではない。おそらく、ストーリー(物語)を作り出す段階による違いなのだろう。それぞれ見ると、
1.物語編集力:より魅力的なストーリーを作るときに必要なもの
2.ストーリーの心理学:ストーリーが生まれるための条件
3.私たちの中にある物語:できあがったストーリーの表現の仕方
とでもなろうか。となると、よいストーリー(物語)を作るためには、「よい題材」があって、「その題材を魅力的なものに仕立て」、「印象深いものに表現する」という段階があり、それらの段階で上述したような要素を考慮しなければならない、ということなのだろう。
間もなく発売!
ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力―ポケットMBA〈5〉 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 生方正也
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/09/02
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (22件) を見る