定義の力

ある言葉を定義するということは、その言葉を一定の仕方で使ってほしいと他人にすすめることにすぎない。言いかえれば、定義の目的は、事実の上に論議の焦点をしぼることなのであり、したがってよい定義は用語をめぐる論議を事実についての討論に転化させ、それによって追求をさらに深めるような論議を生み出すという結果に結びついている。(46ページ)

「定義」という言葉について、シンプルながら説得力のある「定義」を行った表現だ。

ここでの定義とは、あくまでも他の人との理解を共有するためのものだ、というのが第一義としてある。自分ひとりである概念の定義を研ぎ澄ましても、あまり意味はない(まあ、哲学的探究を行う場合は必要なのでしょうが)。

だから、私たちが議論するとき、よく「定義論」に陥る。この引用文を見る限り、定義論も無益ではないようだ。但し、引用文のような形で定義論から発展できればの話だが。

「定義の話」→「本来の論点の深掘り」という流れをモデル化できるといいな。というのが、ファシリテーション、というより議論学を深めたい私の素朴な感想です。


社会学的想像力

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