一万年の進化爆発

一万年の進化爆発

一万年の進化爆発

予想以上に面白い一冊だった。人間は(ほかの生物もだけど)進化し続けていることを実感できる一冊だ。本書は、「人類の進化は一万年前までで、そこから進化はほぼ止まっている」という説に真っ向から反対する。それも遺伝子的な観点と豊富なエピソードの二本立てでだ。

特に個人的に興味深かったのは、農業のもたらした影響について。農業の発展は定住と社会の成立というその後の社会の基盤となるものを作ったことは知っていたが、同時に感染症と飢餓による人口減少をもたらしたとは知らなかった。そもそも、農耕が始まる前には「飢餓」という概念自体なかったのだろう。さらに、体まで小さくなっていたなんて・・・。

そして最後にはユダヤ人の知能の高さも解明されている。うーん、遺伝子の力というのは恐ろしいものだ。そして、いわゆる「純血」が作り出すパワーにも改めて驚きを覚える。

門外漢ながらかなり興味をひく内容の一冊だった。