創るセンス 工作の思考

どの程度の誤差が生じるものなのか。1%なのか1割なのか。そのレベルを感覚的に知っていなければならない。何の影響が大きいのか。どういった過程で誤差が大きくなるようなばらつきが介入するのか、を理解していなければならないのだ。(88-90ページ)

非常に示唆深い文章である。それから、工作が苦手でしょうがなかった自分には、身につまされる言葉だ。

過去の苦い経験は置いておいて、この文章から読み取れることは二点。

・標準を知っておかなければならない。ただ、「標準を知る」ということは、「平均値などの標準の値」と「バラツキ(だいたいどの程度までのブレならよいのか)」の二つが必要になる。

・「要領」というのは、手順の話ではない。標準(上述の基準値とバラツキ)を知るということと、標準から外れるのはどんなケースなのかを理解することの二つである。」


私たちは何かを学ぼうとすると、どうしてもホールインワン(もしくはニアピン)を求めたがる。同時に、何かを学ぼうとすると、手続きを理解すればよいと考えてしまう。誤差と標準から外れるケースの理解、というものを中心にした方が、学びとしては大きいのではないか。

創るセンス 工作の思考 (集英社新書)

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