パフォーマンスコンサルティング2解読(8)PCの機会を見つける

本書のよい点の一つに、「クライアントとの関係」という視点を常に持ち続けていることがあげられる。本章もまさにクライアントとの関係という視点がなければ、書かれることはないだろう。

本書によると、PCの機会の見つけ方は二通り。
1.クライアントとの信頼関係を築く
2.クライアントと協力して取り組む戦略レベルのプロジェクトの機会を見つける
どちらかと言えば、重要なのは2の方だろう。従い、本書でも2について詳しく解説している。ここでのポイントは、「プロジェクトを戦略レベルにする」ということだ。そのためには、「外部」「事業」「HR周辺」を関連づけることができなければならない。これこそ、パフォーマンス・コンサルタントに最も求められるスキルの一つだ。

PCの機会を見つけるための具体的手法の第一歩は、クライアントとの話し合いだ。クライアントとの話し合いの際には、まず話し合いのメリットを解かなければならない。そのメリットとは、
1.事業部に支援することによる価値の向上
2.今後のニーズの想定
だ。逆に言えば、こうしたメリットを実感させることができなければ、PCの機会を見つけることはできないのだろう。

ここでクライアントにメリットを実感させることができたら、クライアントに質問をしていく。ここでの質問の流れは第8章のリフレーミングとほぼ同じだ。つまり、PCの機会をつかむこととリフレーミングとはほぼ同じことだと言える。その点から見ても、PCの初期段階でもっとも重要なスキルは、
・「外部」「事業」「HR周辺」の関連づけ
・より「事業」「パフォーマンス」の話ができるようにする展開力
の二つであることがわかる。

最後に、本章では話し合いの「きっかけ」となるものをあげている。具体的には、
・事業計画策定時
・初めて話をするとき
・新しい全社的取組がはじまるとき
・炎上現場
こうしたタイミングを確保したら、上記のような展開をすることができるかがカギになってくる。ただ、特に外部のパフォーマンス・コンサルタントの場合、このような場面にお目にかかること自体少ない。その点から考えると、上記の場面にこだわらずに、個別具体的な案件でもリフレーミングをしていくことは必要なのだろう(と言いつつ、本当にリフレーミングすべきか等の押したり引いたりの世界が待っているのは、前章でも述べたとおり)。