シナリオ構想力とは

まずは、ネタだしとして、自分が書いた本を題材にしたい。

シナリオ構想力 実践講座

シナリオ構想力 実践講座

この本を書く際に考えたのが、「私たちが物事を考えてアウトプットを出す際にどんなことをしているか」ということだ。当然何らかのアウトプットを出す際にはインプットとなる材料が必要となる。ただ、漠然とインプットを投入するだけではないだろう。では、インプットをアウトプットにしていくために何をする必要があるか。

以下の例を使うと、必要なものがある程度クリアになるのではないか。

家を建てるとしよう。まず必要となるのが家の材料となる部材である。ドアや窓、さらには各種設備に至るまで生活するに必要な部材が過不足なく揃っている必要がある。さらに、「よりよい家」にしたければ、それぞれの部材のクオリティも重要になってくるだろう。また、単なる材料では部材にならない。木材があったとしたら、何らかの部材に加工することも必要になるだろう。

次に重要なのは、家の骨格となるべき土台や柱である。土台や柱がしっかりしていることによって、少しのことでは壊れない家が出来上がる。また、自分たちの生活パターンを間取り等に反映させれば、それが柱の建て方に影響を与えるだろう。つまり、柱は、最低限目的を達成するために必要なものと、自分たちの思いを加えた形で表現されることになる。

部材が揃って柱がしっかりしたら、次は柱に部材を組み付けることになる。但し、やみくもに部材を組み付ければよいわけではない。部屋と部屋の間に窓を組みつけても、窓としての機能は発揮しないだろう。適材適所を意識しながら、うまく組みつけていくことが必要になる。

最後に仕上げである。単に組み付けただけでは部在間に段差ができていたり、見栄えの悪い箇所があったりする。それを見栄えのよい家に仕立てていくのである。

このような例を「考える」という場面に当てはめると、アウトプットを生み出すということは以下のようなプロセスになっている、と考えられる。

0.データ(材料)
1.データを情報にする:家の例で言えば、部材を調達し、加工するところ
2.考える骨格を作る:家の例で言えば、土台や柱を組み立てること
3.骨格に情報を当てはめる:家の例で言えば、柱に部材を組み立てるところ
4.最終成果物に仕立て上げる:家の例で言えば、仕上げをするところ
5.成果物

シナリオ構想とは、このようなプロセスに沿って考え、成果物を生み出すことを意味している。
ただ、このプロセスをうまく進めるには、もう一つ心がけたほうがいいことがある。それが、丁寧にデータなり情報を見る、ということである。それについては別エントリーで。