プレジデント特集 −「年収1500万円社員vs400万」630人分析!−

寒くなりました。手帳の季節です。町には来年の手帳があふれ、書店には手帳特集の雑誌があふれます。早速自分の来年の手帳を入手しなくては!

その前に、目についた手帳特集雑誌を思わず購入してしまいました。

PRESIDENT (プレジデント) 2010年 11/15号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2010年 11/15号 [雑誌]

そのトップを飾るのは、マネックスユニバーシティの内藤忍氏監修?の「年収1500万円社員vs400万」630人分析!」。

これは、年収1500万円の人と400万円の人の生活習慣?を比較・分析していこうというもの。それぞれの対象者に対して、37項目?の質問に対して5段階で評価してもらい、その違いを見ていっています。

非常に興味深い分析結果ですね〜。ただ、もう少し工夫すればもっとよい分析結果が得られるのではないかとも感じるところもあります。


すぐ気付く点は、評価の軸が混在していることです。この分析では、大きく分けて、以下の二点で「1500万円の人はこういうことをやっている」と結論づけています。

  1. 「あてはまる」比率の絶対数が高い
  2. 400万円の人より高い比率で「あてはまる」を選んでいる

ただ、両者の意味合いは当然ながら結構違います。そこを無視してどちらかに該当すれば「1500万円の人はこういうことをやっている」と結論づけてしまっています。確かに1の方は単純に「・・やっている」と結論づけてもよいでしょうが、2の方はそうはいきません。一例をあげてみましょう。

「いまのキャリアとは別に仕事の最終目標を設定している」という問いに「あてはまる」と答えた人が1500万円以上では14.5%を占めるのに対し、400万円台の人では5.1%にとどまるという結果は、ミッションを設定することの大切さを象徴していると言えよう。(本誌31ページ)


確かに両者の差は3倍近くあるけれど、冷静に見れば1500万円以上の人でも仕事の最終目標を設定している人は15%にすぎなません(本文の「占める」という表現がまた誘導的だが、これは触れないでおこう)。これでミッション設定の重要さを訴えるのは苦しいのでは?

同様の結論の導き出し方は他にも、

  • 「周囲の力を借りることで運動を続ける仕組みを持っている」:4.5%
  • 「項目ごとの年間支出を把握している」:13.2%
  • 「雑誌・書籍代に月一万円以上使っている」16.4%などがあります。

この辺りは、冷静に見れば結構危険です。ちなみに、「周囲の力を借りることで・・・」の質問に「あてはまらない」と答えた1500万円以上の人の比率は42.8%。この数値を見てしまうと、1500万円以上でもごく一部の人しか運動を続ける仕組みを作っていないと考える方が自然ですね。


「じゃあ、400万円台との比較は使えないのか?」というと、必ずしもそうではありません。もっと違ったやり方があります。それは次のエントリーで。